いろいろな用途に使われる水道水ですが、赤ちゃんに飲ませるミルクにも使っていいのでしょうか。
結論から言いますと、水道水をミルクに使うことは問題ありません。
ただ、使う場合はいくつか注意したい点があります。詳しくみていきましょう。
赤ちゃん用のミルクに水道水はOK
日本の水道水に関しては、厚生労働省による水道水質基準が設けられています。
これは国際的に見ても厳しい基準。そのため、日本の水道水は安全性が高いのです。
さらに日本製のミルクは、日本の水道水で溶かすことを考えて作られています。
水道水の中にはミネラルが含まれているため、それを考慮してミルクの中のミネラル成分を調整しています。
赤ちゃん用のミルクに水道水を使うことは、特に問題ないと言えますね。
ミルクに水道水を使うときの注意点3つ
ミルクを作るときって、冷ます工程がありますよね。
水道水をそのまま哺乳瓶に入れて冷ましてもいいのかな…?
こちらでは、ミルクを作るときに水道水を使う場合に知っておきたい注意点をまとめてみます。
煮沸した水道水を使う
水道水は安全性が高い。とはいえ、そのまま赤ちゃんに飲ませるのはちょっと心配…。
なぜなら、水道水には「残留塩素」が含まれているからです。塩素は水道の水質を維持するために必要なものなのですが、赤ちゃんにとっては胃腸に負担をかけてしまう可能性があります。
さらに、この残留塩素が水の中の有機物と反応してできるのが、「トリハロメタン」。
これには発がん性があるという疑いがありますが、含まれていたとしても微量のため、健康に悪いわけではないとされています。
そうは言っても、生まれたばかりの赤ちゃんに飲ませるのはちょっと心配だな…。
残留塩素やトリハロメタンを除去するために、水道水を10分以上煮沸しましょう。
煮沸の際には気を付けたいことが1つ。短い沸騰時間だと、逆にトリハロメタンが増えてしまうため、5分などの短い時間ではなく、10分以上は沸騰させましょう。
煮沸して時間が経ったものは使わない
10分以上煮沸した水道水は、塩素が除去されているため雑菌が繁殖しやすい状況にあると言えます。
そのため、水道水は煮沸したからもう安心、というわけではなく、煮沸した水道水は早めに使うことが大切です。
例えば、まとめて煮沸して保温機能のあるポットや魔法瓶などに入れておく場合、あまりに時間が経ったものはぬるくなってしまいますよね。ぬるいお湯は特に細菌が増えてしまうようです。
前日に煮沸した水道水を翌日もずっと使う、などといったことは避けた方がよさそうですね。
ミルクの湯冷ましにも煮沸した水道水を
70度以上の熱いお湯で溶かしたミルクは、そのまま飲むには熱すぎますよね。
とはいえ、そのまま置いておくだけでは冷ますまでに時間がかかってしまいます。
そんなときにミルク作りの時短になって便利なのが「湯冷まし」。
湯冷ましにも水道水は使えますが、そのままではなく、10分以上の煮沸をして冷ましたものを使用しましょう。
ただ、こちらも塩素が除去されているため細菌が入りやすい状態です。
保存する際は耐熱性のある密閉容器がおすすめ。湯冷ましを作ったらその日のうちに使い切るなど、保存期間にも注意しましょう。
ミルクに水道水を使うなら知っておきたいもう1つのこと
ミルクに水道水を使うこと自体は、特に問題はないことが分かりました。
ただ、最近引っ越しをしたわたしは水道水に関して気になることが。
マンションからマンションへの引っ越しだったのですが、新居に引っ越して早々、
「貯水タンクの清掃のため数時間の断水をします」
というお知らせが来たのです。
前のマンションでは4年くらい住んでいたけれど、そんなこと1回もなかったな…。
調べてみると、貯水タンクの清掃に関してはいろいろと決まりがあるようです。容量が大きいものは水道法によって、1年に1回以上の清掃や検査などの管理が義務づけられています。従わない場合は罰則規定も。
また、容量が小さいからといって何も決まりがないというわけではありません。容量が小さい貯水タンクの場合は、各市区町村の条例などで、水道法に準じた規制が求められています。従わない場合の罰則などについては、条例によって変わってくるようです。
わたしが今まで住んでいたところで断水が無かった理由ははっきりとは分かりません…。
ただ、2槽タイプの貯水タンクの場合は、断水なしでも清掃できるみたいです。
前のマンションは2槽タイプだったのかも?
マンションに住んでいて貯水タンクがある場合は、管理面について確認してみると安心かと思います。水道水が安心して飲めるかどうかに関わることなので、気になる場合は確かめてみましょう。
ミルクにミネラルウォーターはアリ?
水道水をミルクに使ってもOKとは言うものの、
水道水をミルクに使うのは抵抗がある…
マンションの貯水タンクの衛生面が心配…
などといった場合もありますよね。そんなときは、水道水以外の水をミルクに使うことを考えてみるのも1つです。
身近なのはスーパーなどでも売られているペットボトルのミネラルウォーターや、ウォーターサーバーなどが挙げられます。
ただ、ミネラルウォーターを使う場合は注意点があります。
注目すべきは水の「硬度」。水の硬度とは、水1リットルの中にどれくらいのカルシウムとマグネシウムが含まれているか、数値で表したものです。
硬度がどれくらいかによって、軟水や硬水などに分けられます。基準を以下にまとめました。
0~60mg/l未満・・・軟水
60~120mg/l未満・・・中程度の軟水
120~180mg/l未満・・・硬水
180mg/l以上・・・非常な硬水
0~100mg/l・・・軟水
101~300mg/l・・・中硬水
301mg/l以上・・・硬水
軟水はまろやかな口当たりで、硬水は飲み心地が重々しいと感じられます。
赤ちゃんにはどちらがいいの?
赤ちゃんに飲ませる場合は硬度60mg/l以下の軟水がおすすめです。
硬度が高いほどミネラルが多く含まれているのですが、このミネラル成分を必要以上に多く摂取すると、内臓に負担がかかってしまいます。
生まれて間もない赤ちゃんは、内臓の機能も発達段階。負担がかかると、下痢などを起こす可能性があります。
ミネラルウォーターをミルクに使う場合は、硬度に注目してみましょう。
ウォーターサーバーを選ぶ基準についてはこちらにまとめています。
>>>ウォーターサーバーのお水でミルク作りはだめ?何を基準に選ぶ?
まとめ
赤ちゃんのミルクに水道水を使うことは、問題がないことが分かりました。ただ、使う場合は10分以上の煮沸をすると、より安心です。
ミルク作りが大変な場合は、市販の軟水や調乳用の水、ウォーターサーバーなどを活用するのもいいですね。
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